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フリーランスが税金を節税できる方法はどこまで?小規模企業共済やiDeCoやNISAを最大限利用したら?

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フリーランスの節税でおすすめな方法って何?共済やiDecoとかの違いもよく分からないんだけど、何から始めたらいいの?
一番おすすめなのは小規模企業共済です。掛金が全額所得控除になり、いざというときは貸付も受けられます。フリーランスだと車や家賃も経費で落とせるものがあるので、必要経費を把握して節税につなげられますよ。

目次

フリーランスが税金を節税できる方法はどこまで?

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フリーランスや個人事業主も含めて節税方法としてメジャーなのは、以下の3つです。この3つについて絞っていきます!

  • 個人型確定拠出年金(iDeco)
  • NISAまたはつみたてNISA
  • 小規模企業共済

一番のおすすめは小規模企業共済です。

小規模企業共済は節税効果も高い上に、貸付制度もあってフリーランスの事業サポートもしてくれるからです。

それぞれの詳細についてはこれから紹介していきます。

また、節税をするならまず押えておきたいのが「所得控除って何?」というところです。

ここをしっかり理解しておくことでiDecoなどがどう有効なのか分かりやすくなると思います!

■所得控除が多いほど税金が少なくなる

まず、控除の意味は「差し引く・引き去る」ことです。

課税対象となる所得(利益)の金額から、様々な控除できるモノ(例:医療費、生命保険料など)の金額を引くことができる仕組みです。

その控除を行うことで、本来の所得金額が当初の所得金額よりも少なくなり、結果として課税される税金の金額も安くなります。

簡単にいえば所得控除を大きくすることで節税につながるということですね。

そして、所得控除は個人型確定拠出年金(iDeco)小規模企業共済対象となっており、この2つを利用することで、節税効果が見込めるということになります。

以下の式は支払う税金の計算式を3ステップにしたものです。

1) 収入 − 必要経費 = 所得
2) 所得 − 所得控除 = 課税所得【←ここの数字が小さいほど税金が少なくて済む
3) 課税所得 × 所得税率 = 所得税

今回はそんな所得控除にフォーカスを当てていきます。

繰り返しになりますが、所得控除が大きいほど課税所得が小さくなり、支払う税金も少なく済みます。

今回紹介する制度などを上手く利用することで節税効果が見込めますが、無理に全部やろうとすると意味もなくお金がかかってしまう部分もあります。

なので、どれが自分に向いているかを判断しながらできる範囲でやっていくことが大事だと思います。

まずは所得控除を増やすことが節税につながるんだということを理解できればOKです。

iDecoは個人で作る年金!

iDecoとは簡単にいうと、個人で準備して作る年金です。

iDecoは掛金が全額所得控除になるという大きいメリットがあります。

最近は公的年金の金額が減少傾向なので、将来自分が年金をもらえるのか不安な人も多いと思います。

特にフリーランスや個人事業主の方の年金は国民年金(基礎年金)になるので、会社勤めの方の厚生年金と違い、将来受け取れる年金は約1人5万円程です…。なので、そういった人におすすめなのがこのiDecoです。

こちらの記事はもっと詳しくフリーランスや個人事業主の方の国民年金と、会社勤めの方の厚生年金の違いについても紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください!

そんなiDecoは、自分で年金を作れるだけでなく、節税もできるのが2度おいしいところです。

途中解約できない・原則60歳までは積み立てて運用してきた資産を引き出すことはできないという注意点はありますが、仕組み自体は比較的シンプルで取り組みやすいです。

■iDeco仕組みを3ステップで解説

iDecoは3つのステップから成ります。

1) 積み立てる
→自分が決めた掛け金をコツコツ積み上げていきます。月5,000円から始められるのがおすすめポイントです。最初は少額から始めて、余裕が出てきたら増やしていくのが良いと思います。

2) 運用する
→拠出した掛け金は自分が気に入った投資信託などに投資して運用していきます。1)と2)のステップを受け取り開始の年齢(60歳)に達するまで繰り返します。

3) 受け取る
→今まで積み立てて運用してきた資産を老後の資金として受け取ります。受け取り方は一括で一時金として受け取るか、年金のように分割して受け取るかを選択できます。

長くすればするほど運用する資金も大きくなるので、長期的に取り組むことがポイントです。

■iDecoは3つの節税メリットがある

iDecoには、積み立てる・運用する・受け取るのそれぞれのステップで節税メリットがあります。

1) 積み立てた掛金は全額所得控除の対象
→フリーランスや個人事業主の第1号被保険者は月額6.8万円まで掛金が拠出可能です。年額にすると81.6万円なので、かなりの金額です。これが全額所得控除になるのはすごくメリットが高いです!

2) 運用した利益や利息が非課税になる
→普通に株や投資信託などを購入して運用した場合、発生した利益は20.315%の税金が課されます。それがiDecoでは運用利益が非課税になるので、運用する効果がもっと大きくなるというメリットもあります。

ちなみに、運用商品には預貯金もありますので、必ずしも大きなリスクを取って運用しなければならないというわけではないです。ただ、預貯金だと資産を増やしづらいので、自分が許容できる範囲で国内外の投資信託に投資するとのがおすすめです。

3) 年金資産の受け取り時に税制優遇になる
→一時金で受け取った場合・・・退職所得控除
年金(分割)として受け取った場合・・・公的年金等控除

始める上で一番嬉しいのは、掛金が全額所得控除になることです。上限はあるものの、年額にすれば大きな金額になります。

■iDecoのデメリットや注意点は?

iDecoは一度始めると、原則60歳までは積み立てて運用してきた資産を引き出すことはできません

その代わり、掛金の金額を下げたり、拠出を一時的にストップしたりすることはできます

節税のためとは言えど、一度始めると途中解約できないというのは重いことでもあるので、余裕資金があれば検討するのが良いと思います。

条件を満たした場合のみ「脱退一時金」を受け取ることは可能ですが、原則として一度始めたら途中で止めることができないと考えておく方が無難です。

また、運用手数料がかかるので、なるべく安い金融機関を選ばないと思わぬコストになる可能性があります。おすすめはネット銀行や証券です。店舗を持っていない分、運用コストは低めな傾向です。

メジャーなところだと、SBI証券や楽天証券、イオン銀行などがあります。

ちなみに僕はSBI証券を利用してます。

それと、会社を辞めてしまったフリーランスや個人事業主の方も含み、もし国民年金を払っていないとiDecoをはじめられないので注意が必要です。

NISA・つみたてNISAは資産運用型の節税術

NISAとつみたてNISAも、節税しながら資産を増やしていけるという点ではiDecoと同じです。

ただし、大きな違いとしては、自分で決めた金額を投資して運用しますが、iDecoや小規模企業共済のように毎月必ず一定額支払うというのは存在していません。

また、iDecoや小規模企業共済は所得控除がありますが、NISAやつみたてNISAにはありません。NISAやつみたてNISAの最大の魅力は、運用益が出た場合に非課税になるという点です。

ただ、いくら利益が出ても非課税になるというわけではなく、非課税枠には上限がある点には注意が必要です。

非課税枠内で運用するのであれば節税しながら資産形成ができるのでおすすめです!

■NISAとつみたてNISAの違いは?おすすめはどっち?

簡単に言うと、NISAはより積極的に投資をしたいという人に向いています。自分で国内や海外株式、海外ETFなど初めから購入するものが分かっている場合はNISAがおすすめです。

一方、つみたてNISAは少額で長期的にコツコツ資産を増やしていきたい人向きです。こちらはNISAと逆で何を購入すればいいのか分からない場合はつみたてNISAがいいと思います。

NISAとつみたてNISAの違いを比較すれば分かりますが、NISAは株式も購入できるのに対し、つみたてNISAは投資信託のみが対象です。

また注意点として、NISAとつみたてNISAは併用できません

特徴を簡単に表にまとめてみました。

NISA つみたてNISA
投資対象の商品 株式・投資信託 投資信託のみ
投資可能期間 2014年~2023年 2018年~2037年
非課税投資枠の限度額(年間) 120万 40万
非課税期間 5年 20年

特徴を比較すると、以下のような感じです。

NISA
→短期・中期で多くの利益を出したい人向け

つみたてNISA
→長期的にジワジワと資産を増やしていきたい人向け

■NISAとつみたてNISAをもっと比較してみた

じゃあどっちがお得なのかということですが、利用しやすさで見ればつみたてNISAの方勝っていると、個人的には思います。

つみたてNISAは一度投資金額と投資する投資信託を決めてしまえば、後は毎月機械的に運用されます

それでいて運用益に対する節税もできるのであればこっちの方が気楽です。(途中で掛け金の金額変更もできます)

一方NISAは毎月決めた金額を投資するわけではなく、その都度自分が思うタイミングで投資対象を決めて売買します

なので、株式のマーケットを毎月とか定期的にチェックするような人の方が向いていると思います。極端に言えば、年度内の限度額(非課税枠)120万円を一気にその月だけで利用することもできます。

自分の資金の余裕具合を見て投資する金額を増減したり、たまにはマーケットを観察して投資する商品を買えることも大事だと思います。

一応、僕は海外のS&P500のETFを購入したいと思っていたので、NISAで運用しています。

iDecoとNISA・つみたてNISAはどちらが節税効果が高い?

結論から言うと、節税効果はそこまでないのがNISAとつみたてNISAです。

NISAとつみたてNISAは優先順位としては低くなります。

その理由として、以下のような違いがあります。

iDecoと小規模企業共済
→掛金が所得控除の対象になる。運用益も非課税で、受け取り時も各種控除対象となる。

・NISAやつみたてNISA
→運用益のみ非課税で、投資金額は所得控除の対象外。

繰り返しになりますが、節税を意識するなら、iDecoか小規模企業共済が有効です。

もちろんNISAやつみたてNISAが全く無駄というわけではないです。

ただ、NISAやつみたてNISAはフリーランス向けの節税というより、資産運用という側面の方が強いかなという印象です。節税になるのはあくまでも投資で利益が出た部分についてなので、節税という面から判断するとちょっとインパクトに欠けます。

仕組みがiDecoと似ていることもあってよく比較されますが、中身をよく見るとそれぞれ性格は違います。

なので、NISAやつみたてNISAはあくまでも長期的な資産形成がメインであることを意識して、節税はiDecoなどで考えていくのがベストだと思います。

小規模企業共済は個人事業主用の退職金制度

小規模企業共済は、フリーランスや個人事業主や規模の小さい会社の役員などが加入する共済です。

共済金は廃業時や退職時に受け取ります。iDecoやつみたてNISAと比較しても、節税としてはこれが一番おすすめです! 僕も毎月3万円は掛けています。

iDecoともよく比較される小規模企業共済ですが、この共済は毎月1,000円~7万円の範囲で掛金を決めることができます

1,000円という少額から始めることができるので、フリーランスとしてまだそこまで収益は出ていないけど、何かしら備えをしておきたい人にも向いています。

何度か触れましたが、今回紹介する節税術としては一番のおすすめです。

iDecoは小規模企業共済と違って自分で運用することができます。なのでiDecoで大きな運用益が出れば、運用できない制度である共済よりも多くの受取額がもらえる可能性があります。

でも、運用は投資する商品によって元本割れする可能性も十分にあります。そのリスクを取ってiDecoにするか、運用はできないけど節税効果が高い共済にするか、どうしても迷ったら両方で少しずつやるのもありだと思います。

また、フリーランスや個人事業主から共済をはじめていて、その後法人成りした場合は一定の要件を満たすと共済を引き継ぐことができます。

その要件とは、従業員数が一定以下であったり、自分自身がその会社の役員であったりすることなどが挙げられます。

もしも要件を満たせなかった場合は、掛け金の納付月数に応じて準共済金が支払われます。

■小規模企業共済は掛金が全額控除対象

小規模企業共済は、掛金の全額が課税所得からの控除対象となるので、高い節税効果が期待できます。

それと、受け取り時も各種控除の対象となります。

一括で受け取る場合
→退職所得控除

分割で受け取る場合
→公的年金等控除

掛金や受け取るときに控除対象となる点はiDecoと同じですね。ここまでだと、iDecoと小規模企業共済のどっちが良いのだろうと悩むと思います。

実は小規模企業共済には次に紹介するようなiDecoにはないメリットがあります。

■小規模企業共済には貸付制度がある

掛金の範囲内で各種貸付制度を利用することができます。

  • 一般貸付制度
  • 緊急経営安定貸付
  • 傷病災害時貸付
  • 福祉対応貸付
  • 創業転業時・新規事業展開等貸付
  • 事業承継貸付
  • 廃業準備貸付

貸付利率は年0.9%~1.5%くらいなので、低金利です。フリーランスにとってはいざというときに貸付が受けられるのは嬉しいポイントです。

節税効果にプラスしてメリットの大きい制度です。これはiDecoにはないので、どちらか迷ったならこちらを選ぶと良いと思います。

■小規模企業共済の注意点は?

途中解約することもできますが、解約のタイミングに注意が必要です。

掛金の納付期間が20年未満で解約した場合、解約手当金が少なく元本割れする可能性があります。

始めるなら長期的にやっていくことを前提に始めることが大事です。短期間で解約してしまうとメリットもそこまでないですし、長く続けていればその分貸付制度を利用しやすくなります。

iDecoと小規模企業共済は併用もOK!迷ったらどっち?

iDecoと小規模企業共済は併用できます。もし両方加入して掛金を最大まで拠出した場合、かなりの所得控除になります。

・iDeco(月額最高6.8万円)
6.8万×12=81.6万円(年額)

・小規模企業共済(月額最高7万円)
7万×12=84万円(年額)

・合計の所得控除
81.6万+84万=165.6万円

併用すると最大165.6万円の所得控除が受けられることになります。ただ、掛金のことを考えると一気に両方するのは厳しいという人もいるかと思います。

もしどちらか一方を選ぶとしたら、これまでも触れてきたように小規模企業共済がおすすめです。

理由は、掛金が全額控除になることに加えて、貸付制度も利用できるからです。ここはiDecoにはないメリットです。

フリーランスは車や家賃も経費扱いできる!

コストカット

フリーランスや個人事業主になると、車や家賃を経費として落とすことができます

経費で落とせばその分節税につながりますので、どのような場合だと経費にしてもOKなのか知っておくと本当にお得になると思います!

車の場合だと、事業に使用している割合だけ経費として落とすことができます。仕事内容によって使う頻度こそ人それぞれだと思いますが、認められる部分はちゃんと経費で落とした方がお得です。

また、家賃についても仕事として使用している分を按分して経費扱いにできます。

何点か注意点もありますので、車や家賃の経費についてもう少し詳しく紹介します。

車を仕事とプライベート両方で使っている場合

仕事で使っている部分に限って経費に入れることができますが、その根拠がないと当然経費にはできません。

そこで「家事按分」といって、仕事で使っている分を算出する作業が必要になります。いくつか方法が考えられますが、例えば以下のような感じです。

・仕事で使っている日数を日割りで計算
・仕事で走った走行距離で計算

何か月分かを一気に計算しようとすると覚えていないと思うので、日ごろからどんな用件でどこまで乗ったのか簡単にでも記録しておいた方が良いですね。

計算がよく分からないといった場合は税理士に相談するのもアリです。

■車で経費として認められるもの

車の購入や維持管理の費用が全部経費になるわけではありません。ここでは経費として認められるものについて紹介しておこうと思います。

・自動車税、自動車取得税、自動車重量税
・各種保険料
・ガソリン代
・洗車代
・車両点検費用、車検費用
・車本体の減価償却費

これらは事業に使っている場合のみ経費として認められます。言ってしまえば、車に係るほとんどの費用を経費にできるということですね。

どれだけ事業用に使ったのか把握しておかないといけないのは若干面倒な部分ではあると思いますが、節税のためにはこういったマメさも時には必要ですね。

■車の購入代金は一括経費になるわけではない

例えば、ある年に500万円の車を買ったとします。これを事業で使うのでと言って、その年に500万円全てを経費にすることはできません。

企業だと建物や設備などを購入したときに使われるのですが、車も「減価償却」の対象です。

簡単に言ってしまうと、車を段々と価値が減っていく資産とみなし、使用期間に応じて購入代金を費用に計上していくというものです。

そして、毎年いくらずつ費用に計上していくのかはその資産によって耐用年数というものが定められており、年数によって定められた償却率をもとに減価償却していきます。

減価償却の方法は、定額法と定率法の2種類がありますが、個人の場合は原則定額法という毎年同じ額を耐用年数に合わせて償却していくことになります。

では車の耐用年数は何年かというと、普通自動車(新車)の場合は6年です。耐用年数6年の場合、償却率は0.167なので具体的に定額法の計算に当てはめると、

500万 × 0.167 = 835,000(円)

となり、毎年835,000円ずつ償却していきます。

定率法は届け出をすれば採用できる計算方法です。

こちらは初期に大きい金額を償却できるのが特徴です。定額法は毎年同じ金額を償却していたのに対し、定率法は段々と償却額が小さくなっていくのが特徴です。

車を購入した初年度だと、

500万 × 0.417 = 2,085,000(円)

となり、定額法よりも多くの経費を計上できます。

■中古車の方が節税効果は高い!

経費で落とせるということで高級車を買う人も結構いると思うのですが、節税効果を重視するなら中古車の方が断然お得です。

理由は、中古車の場合は耐用年数が短くなり、短期間で償却できるようになるからです。なるべく多くの償却費を経費として計上したいのなら、中古車を選ぶべきです!

ただ、中古車といってもどれくらいのものがいいのか気になると思います。結論を言うと、最もお得になるのは4年落ちくらいからのものです。4年落ちの中古車なら定率法で耐用年数が2年になるのですが、償却率が100%となります。

これはどういうことかというと、1年で全額償却できてしまうということです。端的に言えば、車の購入代金を全額一気に購入した年の経費として計上できます

中古車といっても状態が良いものとあれこれメンテナンスが必要なものがあると思うので、そこは購入する際に注意が必要です。

4年落ちの車を購入したけど想像以上にガタがきていて、またすぐ乗り替えないといけなくなりそう…ということでは意味ないですもんね。

家が仕事場になっている場合

次は家賃の経費計上について見ていきます。

フリーランスや個人事業主の方もアパートなど自宅で仕事することがほとんどですよね。

車と同じように、家も事業で使用している分は経費に入れることができます。

注意点として、

・青色申告の場合限定
・契約者が自分以外の家族(配偶者など)の場合は経費計上できない
・敷金は経費にできない

という点があります。

また、賃貸の契約を自分が行って家賃を支払っていることの証明として、賃貸借契約書が必要となります。

経費算出の方法については家賃も家事按分をしますが、経費の根拠算出も車の場合と似ています。

水道光熱費や仕事スペースの広さなどで、全体のうちどれくらいが仕事のために使われているかで計算を行います。車の場合と比較すると若干手間がかかりますね。ただ、これもきちんと把握することで節税につながるので、ぜひトライしておいた方がいいですね。

実際にシミュレーションしてみた!

プレゼン

ここまでのまとめとして、年収400万円のフリーランスがどれくらい節税できるのか、ざっくりですが計算してみました。

1) 所得の計算

まずは収入から必要経費を引いて、所得(利益)を計算します。

必要経費は人によってかなり違ってきますが、売上高の30%と想定します。あまりに経費率が高すぎると税務調査が入る可能性があるようなので、多くても50%くらいに留めておくのが無難だと思われます。

というわけで、年収400万円で計算すると

400万円 × 0.3 = 120万円(必要経費)
400万円 - 120万円 = 280万円(所得)

このあと算出された所得から所得控除をさらに引いていきます。

2) 課税所得の計算

ここで今回紹介した制度を利用してみます。

利用する制度は以下を想定します。iDecoや小規模企業共済は掛金をMAXにすると結構大きな金額になってしまうので、ここは無理せず少額からやっていることにします。

iDeco
→掛金は月額5,000円(年額6万円)を想定

小規模企業共済
→掛金は月額1万円(年額12万円)を想定

青色申告
→65万円控除

ちなみに、青色申告とは最大65万円の控除が受けられるものです。これを申請することで赤字を3年間繰越することができたり、先ほど紹介したように家賃も経費として落とせます。ぜひ利用してください。

基礎控除
→48万円控除

これらを合計すると、

6万+12万+65万+48万=131万

となります。結構大きな金額を控除できるようになりますね。

そして課税所得は先ほど計算した所得から、この所得控除を差し引いた金額となります。

つまり、

280万 - 131万 = 149万

ですね。

最後にこの149万円に対して定められた税率をかけて税金を計算します。

3) 所得税の計算

令和3年度、149万円であった場合の所得税率は5%です。

149万円 × 0.05 = 74,500円

このようになりました。

このシミュレーションでは所得控除のみを考慮していますが、他にも保険などの控除があります。

iDecoや小規模企業共済、青色申告を利用しなかった場合は基礎控除しかありません。そうすると課税所得は232万円となり、税率は10%になってしまいます。

10%になった場合は

232万 × 0.1= 23万2,000円

となります。

iDecoなどを利用した場合と比較すると、157,500円もの違いが発生します。

ちょっと極端すぎるかもしれませんが、少額でも制度を利用しているかどうかで全然結果が違うということがお分かりいただけると思います。

そして、青色申告の控除もかなり大きいです。諸条件はありますが、チェックしてみて利用できるようだったら絶対に利用してください!

まとめ:少し手間はかかっても使える制度は使って節税しよう

勉強イメージ

まとめると、

・iDecoと小規模企業共済だったら、小規模企業共済がおすすめ
・NISAとつみたてNISAは節税効果は低いが、やるのであればつみたてNISAの方が便利
・できるなら全部した方がいいけど、少額でも効果はあるので無理はしない

といったところです。

単に節税するというだけでなく、資産形成やいざというときのサポートにもなりますので、今回紹介した制度はぜひ利用を検討してみてください。

また、車や家賃についても経費に入れられますので、ちょっと面倒だと感じても日頃からどれくらい事業用に使用しているのか把握することが大事ですね。

今回は所得控除を中心にお伝えしましたが、実際支払う税金はもっと色んな控除などが組み合わさって計算されます。

フリーランスになると多くのことを自分で考えないといけなくなるので大変だと思いますが、細かな点で分からないことは税理士に相談するのもいいかもしれません。

でも、節税に意識が行き過ぎて無理に多額の掛け金を拠出してしまったり、高い賃貸物件や車で逆に損したりしないようにだけは注意しておいてください。

 

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